下顎角骨切り術、3つの方法

手術法のご説明

“いわゆるエラ”の改善手術として、正貌、側貌それぞれの実際の術式(下顎骨外板切除術(mandibular corticectomy)-正貌改善手術、角部曲線的全層骨切り術(smooth-curved angle ostectomy)-側貌改善手術)がありますが、通常はこれらの手術を併用(外板切除術+曲線的下顎角骨切り術)して、正貌・側貌の両者を改善する手術が主体となっています。
これらの手術法を細かくご説明いたします。

下顎骨外板切除術

ほぼ全例において正貌における『ほっそりとした卵型』に改善するべく、下顎体部を中心に下顎枝、下顎角部も含めて広範に外板切除術(corticectomy)を行なっています。

手術は口内法を用いて行ないます。
Wide chin, square faceなどの症例では左右の粘膜切開を中央でつなげることもあります。
続いて骨膜下剥離で下顎骨を展開しますが、角部においては下縁、後縁に強く付着している咬筋、内側翼突筋(pterygo-masseteric sling)を丁寧かつ確実に剥離します。
次に外板切除予定部位をデザインしますが、上方は咬合平面やや上方(下顎枝)より、前下方は下顎枝前縁で斜線に沿ってオトガイ孔下方に至ります。
マーキングを終えたら、はじめに切除予定ラインに沿ってラウンドバーにて海綿骨が出るぎりぎりの深さまで削骨を行ないます。
その後サジタール・ソーを用いて、手前から奥に向かってソーを外板裏面に接触させながら、骨切りを進めていき外板を外します。
後縁、下縁に至るまですべてサジタール・ソーで骨切りを行なっています。
最後に再びラウンドバーを用いて辺縁の不整を整えますが、特に前下方にてオトガイ神経周囲は丁寧にトリミングを行なう必要があります。

エラの部位での外板切除術

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サジタール・ソーによる骨切りライン

外板のみを広範に切除

ラウンドバーで周囲の段差をならす

3DCT
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術前
 
術後

 

角部曲線的全層骨切り術

側貌での改善を目的とした手術は、角部から下顎下縁に沿って前方に至る全層骨切り術を行ないます。
ただし、正貌改善における外板切除手術施行後にこの手技に移行することが多く、その際にはすでに外板がはずれているため正確には全層骨切り術とは呼べませんが、内板までも含めた骨切り術のことを意味します。

1989年、Baekらは“prominent mandibular angle”の改善として、口腔内アプローチにてオシレーティング・ソーを用い、角部を切除していく方法を発表しました。この方法は今日の口内法の基礎となっています。
続いて、1991年、Yangらは下顎角部において曲線的な骨切りラインを可能とするmultistaged curved osteotomyを発表しました。Baekらと同様にオシレーティング・ソーを用いて3~4段階に分けて骨切り方向を微妙に変化させる方法でした。
しかし実際には口腔内からこのような形状の骨片を切除することは非常に難しく、熟練を要します。下顎骨の形態にもよるのですが、口腔内アプローチでは下顎枝後縁では特に盲目的に骨切りせざるをえないことも多く、またオシレーティング・ソーは口角の部分で可動性、角度が限定されてしまいます。
したがって理想的な骨片を常に摘出することはかなり困難なため、普遍的な術式とはなり得ません。

曲線的下顎角骨切り術

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コントラアングルにより、あらかじめ骨切りライン上に鼻孔を開けます

オステオトームによる骨切りを行います

解剖学的に正常で曲線的な下顎角を形成します

そこで当院では、デザインした骨片をより確実に摘出すべく術式に改良を加えてきました。この手技に先立ちほとんどの症例で外板切除を行っているため、角部においても術野の展開は良好です。
はじめにコントラアングルドリル(直径1.5mm、長さ25mm)を使用して予定骨切り線上で骨面に直角に骨孔を開けます。
間隔は可能な限り密(約1~2mm)に行ないます。

顔,小さく
実際に摘出された骨片

コントラアングルドリルは非常に角度調節がしやすく、骨孔はおよそ意図した通りに開けることができます。
その後はオステオトーム、オシレーティング・ソーを用いて滑らかな曲線ラインの骨片(内板まで含む)を容易に摘出することができます。

いかになだらかに骨切りを行っても全層骨片切除後は前方において少なからず段差が残ります。この段差が強く残るような場合は決して放置してはなりません。術後、この前方段差は意外に目立って気になるものです。
このような場合、迷わず左右の粘膜切開を中央でつなげ、オトガイ部も骨膜下に剥離し、オトガイ神経下方で骨膜剥離をつなぎます。オトガイ結節周囲の段差は、中央(オトガイ部)から角部に向かい下顎下縁(裏側を含む)に沿ってテシエ・オステオトーム(曲)を接触させながら、慎重に削骨を進めていきます。この手技により、段差のない滑らかなラインを形成できます。

外板切除術+曲線的下顎角骨切り術

実際には、大多数の患者さまは、正面、斜め、側面とあらゆる方向からのフェイスラインを気にされており、上記2種類の手術を同時に行なうのがほとんどです。

リッツ美容外科・オリジナルエラ形成術

顔,小さく

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