美容外科で行われる小顔への改善手術として、代表的なものに頬骨、下顎角(いわゆるエラ)、オトガイなどの形成術が挙げられます。その中でもとりわけ「エラ」の改善希望が最も多くあります。
具体的要望は、『ほっそりした卵型の輪郭』で『できる限り小顔に』というものです。
実際の治療計画においては、患者さまの下顔面の形状を解剖学的に分析した上で、適した治療法を選択することが重要です。
顔面下1/3の形態を特徴づけている解剖学的な要素として、
1) 下顎骨
2) 咬筋
3) 皮下脂肪
4) 皮膚の弾性
等が挙げられます。
実際の手術計画を立てる際、画像診断として頭部X線規格写真(以下セファロと略)、オルソパントモグラムは必須で、さらにCT(3次元CTを含む)まで行えばより有用な情報が得られます。
これらをもとに治療方針を決定します。
セファロ

1)下顎骨
顔面下1/3の形態にもっとも大きな影響を与えているのは下顎骨の形態です。いわゆる骨格改善手術は、下顎(角)形成術と称されますが、『ほっそりとした卵型の輪郭』を希望する20~30代を中心とした若年層においては、この手術が適応となることが多く、術後の効果に関しては、下顎骨の形態により個人差が出るのは当然ですが、解剖学的特徴を把握し、適応する術式を選択することにより満足すべき結果が得られます。
2)咬筋
咬筋肥大は安静時、咀嚼時における咬筋の視診、触診により容易に診断できます。咬筋肥大に対してはボツリヌス毒素A(BOTOXR)の注射を第一選択として行っています。1回の注射では、その効果は4~6カ月程度に留まりますが、経験的には反復して注射を繰り返すことにより廃用性萎縮をきたし、さらに長期的効果が得られます。一方、外科的アプローチとしての咬筋切除術は、合併症として顔面神経下顎縁枝損傷の可能性があり、さらに過度の萎縮による変形、咀嚼時に皮膚表面に現れる凹凸不整など予期不能で非可逆的な変形をもたらすこともあり、その適応には慎重を要します。
3)皮下脂肪
顔面脂肪吸引術は、適応を若年者で頬部、下顎部の皮下脂肪が特に厚い患者さまに限定します。顔面においては、浅層の吸引は一切行わず深層中心に吸引を行い、過度の吸引は控えるべきです。
4)皮膚の弾性
中・高年以降に皮膚・軟部組織の下垂により四角い輪郭(いわゆる “jowl”)となっている場合には、フェイスリフト手術が適応となります。これは用指的に頬の皮膚を外上方に引き上げることにより術後の改善形態が予測でき、その診断も容易です。

最近ボトックスRによるフェイスライン改善ということをよく耳にしませんか?
ボトックスRは筋肉に直接作用し、4~6ヶ月間、その筋肉の動きを抑制し、結果として筋肉萎縮させる薬効があります。咬筋にボトックスR注入後3~4日後より効果が出始めて、1~3ヶ月で確かに細い顔になる方(咬筋の厚い方)もいます。
*但し、4~6ヶ月後より筋肉は再度、動きを取り戻す為、ある程度は後戻りしてしまうことは覚悟していただ きます。その為、数回の注入が必要となりますが、効果は永久とは考えないで下さい。
*当院では主に、エラ手術後の腫れの軽減を主な目的として、このボトックスRを投与しております。